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目隠しの部屋

桐生×明日叶

桐明日=バカップルですよねJK。囚われEDも=溺愛EDでおkですよねJK。
お約束していたAOIさんに捧げます。

尚、目隠し=近くの愛を見落としてる、でお願いします。
桐生さんも桐生さんで明日叶ちんの為に色々?頑張ってるんです多分。休暇取ってデートなり何なりしたらいい。
 
 


(崇征さん)
(崇征さん)

分かりますか。
聞こえますか。
俺の声と気持ち。あなたが凄く好きだって言う思い。



波を打つように皺の寄った白いシーツの上で猫のように背を丸くしながらカーテン越しに射して来る薄い朝日にただひとりうとうとと微睡む。
この二日間、俺はあの人に抱かれてはいない。忙しいあの人は今日も警察の仕事で手一杯で、どうやら最近は大きな事件を追っているらしかったから仕方がないと言えばそうなんだろう…けど、この部屋に連れて来られてからの俺の生活にはあの人ーー崇征さんに触れられない日はないに等しかったから、それのない違和感というものはどうにも拭えない。

せめて、触れられなくても崇征さんの帰りを待っていようと、俺はどうにか慢性的になりつつある眠りの誘いに抗おうとするのだけれど崇征さんのいないこの部屋はただでさえ広いのに、今では寂しさと物悲しさまでもがざわざわと胸の中で揺らいで仕方がない。
崇征さんは、いつも俺が眠りに落ちてしまった後に帰って来ては音もなく再び警察署に出向いてしまう。無駄が嫌いな人だからただでさえ疲れているのにわざわざ俺を起こして性欲に耽るなんて、現状としてはとても煩わしいのかもしれない。此処へはただ単に仮眠と、囲われている俺の食事の支度を済ませに戻るだけ。俺がふと目覚めた時にはベッド脇のサイドテーブルに白いナプキンを掛けられた食事が微かな温度を残していつも置かれている。そこにはメモも何もなく、ただシンとした静けさとヒヤリとしたフローリングの冷たさ、そして崇征さんが唯一残していった手作りの食事だけがある。
俺は昨日の夜にも少し食べた、メニューは毎回異なる食事(今回はミニサラダとコーンスープと、俺の好きなベーグルサンドだった)を載せたサイドテーブルにちらりと一瞥をくれてから今度は投げ出した右腕の手の先に緩く握ったオフホワイトの携帯に視線を引き戻してほう…と微かな溜め息を吐き出した。…正直、此処にいるとろくに動くことがないからあまりエネルギーが消費されない。だから折角崇征さんが作ってくれた食事も前の摂取量が消化されきらずに完食出来ない時がある。

(あ……メール、来てる…)

カチリ、と小さなプッシュノイズを立て点灯させた携帯の液晶には新着のメールが一件届いていることを知らせていた。けれどそれは随分前のメールのようで、眠っていた最中送られて来たんだろう。
メールは、崇征さん自身携帯の所持が煩わしいと思っている節があるからその殆どは極めて事務的だ。
最初、此処に連れて来られたばかりの頃は俺が今まで所持していた携帯を破棄され(自主退学扱いのようだけれど美学行動科での記憶は持ったままだからもしかしたら学園側が俺を捜すか、俺自身此処から(何処であるのかも分からないのに)逃げ出すかもしれないという崇征さんの考えだった)、ただ崇征さんの帰りを首輪をつけ全裸のまま何もすることなく待つだけだった。
時間と日付の感覚もあやふやになって来た頃、崇征さん以外頼る人はおらず崇征さんに依存する他なかった俺はある日最新式の携帯を渡された。帰りが遅くなる時、或いは警察署に泊まり込みで仕事をする時などに連絡がつかないのは困るだろうと…それは、崇征さんの不器用な優しさだ。今では崇征さんも肌寒い時期にはさりげなく暖房を利かせてくれたり上着を着ることを風邪でもひかれたら困るからと言って許してくれたりとしてくれる。冷たいだけじゃない、他の人には分かりにくいあの人なりの気遣いが俺は大好きで、そんな時、俺は無性に抱き締めて欲しくなる。崇征さんの黄金色の怜悧な眼差しに、俺だけを捉えて欲しくなる。

けれど。
今回は…いや、今回もまた、『遅くなる』とたった四文字だけの言葉。無機質な電子の塊、素っ気ない液晶越しの文字、その四文字以外に無駄な羅列はなくスクロールなんて要らない。

(これじゃまるで俺だけがあなたを思ってるみたいだ)
(子供だの、愚かだの、くだらないだのといつもあなたは俺に本心を見せずはぐらかしてばかりで、あなたからの気紛れな愛撫と帰宅を今か今かと待ちわびる俺しか此処にはいない)
(それは、俺達の間にある『壁』はこんな生活をしていても越えられないのだと突きつけられている気がする)

(ねぇ、あとどれだけ待てば本当に、本当に、)

「…たかゆき、さん…」

(俺の事、抱いてくれるんですか…?)

パタン、とメール画面を開いたままの携帯を折り畳んで胸に抱えるように更に背を丸くして真っ白なシーツの中、あの人の脱いだシャツを素肌に身に着けながら膝を抱える。そして小さく呟いたあの人の名前、返って来る答えはある筈がなくて、それでもあの人の好む香水の残り香が唯一俺を抱き締めているようでじんわりと目頭が熱くなった。

(泣きたい訳じゃないのに……ただ、ただほんの少しだけ胸が切なくなっただけ)

「…崇征さん、もう、朝になりましたよ…?」

最後に受け取ったメールの受信履歴は食事を取った後より遅く送信された、昨日の真夜中。だからきっと今日もまた遅くなる、そう言いたいのだろう。
…約束してた訳じゃない。あの人の多忙さを思えばそんな我が儘が出来る訳がない。けれどどんなに遅くなっても俺はほんの少しでも崇征さんに会いたくて、声がちゃんと聞きたくて…抱き締めてくれなくてもキスしてくれなくても、良いから。会いたい。
あの人からしたら面倒でしかないだろう、帰りを待ちわびる俺のこの思いはやっぱり重荷なのだろうか?

昨晩少し降った雨の名残で少し湿った風が開けた窓から不意に流れ込んで来る。そのお陰で崇征さんのシャツのぬくもりと香りを一層強く近くに感じられる気がして、俺の頭と身体を緩やかな眠気が包み込む。ゆっくりと落ちる瞼の重みはこんな時ばかり酷く辛くて俺は抗いたい気持ちとは裏腹にずるずると眠りに手を誘われていく。

(駄目だ。…あと少し、もう少しだけ待っていたいのに…)

…それから暫くして、何度か携帯が繰り返し振動したことや眠りに就いた俺の頬と髪を滑らかな白い手と細い指が優しく触れたりしたなんてことを、安らかに眠るだけの俺は知らないでいた。
ましてや俺が会いたくて会いたくて堪らなかったその人が、そっと羽根のように軽いキスをくれていたなんてーーー…俺は、知る由もない。



(あなたに会いたいです)
(あなたの温もりに触れたいです)
(俺を抱き締めて欲しい、キスして欲しい、それ以上だって出来る事ならして欲しい)
(でもこれは、我儘ですか)
(…崇征さん)
 
プロフィール

小見

Author:小見
御米と書いておこめと読みます。
♀/1215生まれ/犬猫好き。
STEAL!の明日叶ちんに心を盗まれました。(@カリ○ストロ)明日叶ちんはグリフ全体の嫁。二年生トリオ(別名・明日叶サンド)と三年生ドSコンビも好き。キャラ単では慧と眞鳥さんとディオが贔屓目です。
ついったーさんを始めたので最近はもっぱらそっちで原稿と仕事の傍らくっちゃべってます。フォロー歓迎です^^

尚、当サイトではディオと慧のCPは絶対NGとなっておりますのでご注意ください。明日叶受け以外では理事長と眞鳥さん、眞鳥さんと桐生さん、興さんとヒロなんかが許容範囲内となっていますが、自発的には書きません。あくまで精神的な繋がり推奨です。
サイトの根底としては基本的にメンバー(+理事長)→明日叶です。総受け萌えなので。
こんなサイトですが宜しくお願いします。

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