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Penso di si.

ED7その後個人的補完

名前は敢えて出してません。誰視点かも。
考えるな、感じろ・・・!(`・ω・´)キリッ←台無し

 
ーーーそれは人によっては「逃げ」であったかもしれない。

それでも、その日を境に彼は消えたのだ。跡形もなく。まるで風に浚われたように姿を消した。「そこ」には抵抗の跡もなくただただ静けさが広がり、ぽつんと、一頭の犬がふさりとした鈍色の尾を振るってどこか遠くを見つめているばかりだった。

残された者たちはそのことを知るや否や、それぞれ様々なことを多かれ少なかれ語ったが、だが最後には皆同じことを同じ表情で零していた。

「幸せならそれで」

なんと簡素な言葉だろうか。だが、それでいてなんと重みと慈しみに満ちた言葉だろうか。姿を消してしまった彼を知る人は、一様に笑みを浮かべてそう述べたのだ。

「此処にいても苦しい思いしかしないのなら」
「どこかで笑っているのなら」
「覚えていないままでも」
「平和に穏やかなまま暮らしていけるなら」
「もう会わなくとも」
「それで」



「それに、きっと迎えに来たはずだから」



ひとりの青年が私の頭を撫でながら笑った。その表情はとても穏やかで私は鼻をひとつ鳴らしながら青年を見上げ、そして頷くように短く吠えた。

風に浚われるようにして消えた彼はもう此処には戻らないだろう。何故ならば彼にはもう迎えが来たからだ。あの切なげな夕日色に染まった並木道は私と共に、彼が嘗て帰りを待ち望みそして密かに涙したひとりの人物により手を引かれていくのを遠くから見ていた。記憶の有無に惑う彼をそれでもと愛し抱き締めたその人物は私とも面識のある男だったが、その男の名はもう此処ではある種の禁句のように口を噤まれ語るものはあまりいない。ただ、とても大らかで私は彼に世話をされることが好きだったから、時折ふと思い出すのだ。あの褐色の手に触れられないのは些か寂しさが残るが…そうか、迎えが来たのか。それならばーーー良い。私も残された彼らと同じく、彼と彼を迎えに来た男が幸せで在れるのならば。それで。



ーーーそれは人によっては「逃げ」であったかもしれない。

だが私は敢えて人の言葉を語れぬこの口で言おう。
それは別たれていた彼らにとって、何よりもの「救い」であったのだと。





ーーーPenso di si. (そう思います。)

プロフィール

小見

Author:小見
御米と書いておこめと読みます。
♀/1215生まれ/犬猫好き。
STEAL!の明日叶ちんに心を盗まれました。(@カリ○ストロ)明日叶ちんはグリフ全体の嫁。二年生トリオ(別名・明日叶サンド)と三年生ドSコンビも好き。キャラ単では慧と眞鳥さんとディオが贔屓目です。
ついったーさんを始めたので最近はもっぱらそっちで原稿と仕事の傍らくっちゃべってます。フォロー歓迎です^^

尚、当サイトではディオと慧のCPは絶対NGとなっておりますのでご注意ください。明日叶受け以外では理事長と眞鳥さん、眞鳥さんと桐生さん、興さんとヒロなんかが許容範囲内となっていますが、自発的には書きません。あくまで精神的な繋がり推奨です。
サイトの根底としては基本的にメンバー(+理事長)→明日叶です。総受け萌えなので。
こんなサイトですが宜しくお願いします。

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